状況を理解できずに固まる私をよそに、
湊人は横目で信号機が青になった事を確認したのか、平然とした様子で正面に向き直り左手でいくらか操作した後、また車を発進させた。
「….どういうつもり」
「どうもこうも、俺が好きなのは莉子だよ。
何勘違いしてるのか分からないけど、昔も今も莉子だけだ」
…何、言って…。
だっていつもいつも湊人は私と付き合っている時も梨架、梨架って何かと私と梨架を比べるような事沢山言ってた。
それなのに、それなのに。
「そ、そんなの嘘…っ」
「はぁ?」
湊人が呆れたようにそんな声を出した。
「どうして嘘だとか莉子が決めるんだよ」
そう湊人に尋ねられ、
堰を切ったように、数年間胸の中に溜め込んでいた言葉が溢れ出す。

