隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー





「ちょっと湊人、これじゃおかしい」

「莉子はしつこいなぁ」


食事を終え、会計を終え、
店を出てからずっとこんな会話を繰り返している。 今日の食事の会計を、全部湊人が払ったのだ。

そもそも今日は社員証のお礼として付き合うという事だったのに、美味しい夕飯をご馳走になるなんてこれじゃお礼でもなんでもない。

「これじゃお礼にならないでしょ」

「なってるよ。莉子と食事に行けるとか、すごいサービスなんだけど」

「……。」

まるで木嶋みたいな事を言い出す湊人に調子が狂う。

「ほら、乗って」

「…うん」


納得がいかないまま、促されるままに湊人の車に乗った。

どこに付き合わされるのかと思ったが、
時間的にも夕食だろうと予想はしていたが正解だった。

その食事も終わった。
もう、こうして湊人と会ったり話したりすることはないだろうな。

走り出した車の中でそんな事を考える。