むくれたようにして呟く。
そしてボソッと「…私より」と梨架が小さい声で付け足し、思わず口に含んでいた水を吹き出しそうになった。
私が梨架がより綺麗って…。
そもそも大体の顔は同じなのに、
美容に気を遣っていてその上オーラも兼ね揃えた梨架より、見た目に気を遣っていない私が綺麗な筈がない。
「そんな訳ないでしょ」
「本当だって!私はまだ子供っぽいのに、お姉ちゃんは落ち着いてて大人っぽいってお母さんも言ってる。それに私毎日の厚化粧でお肌ボロボロだし」
「まぁ、髪の色なら梨架より落ち着いてるかな。
私染めてないから」
そうやって受け流すと、梨架に盛大なため息をつかれた。
「私のせいでお姉ちゃんに大変な思いさせてるのはわかってる。…でもね、私はお姉ちゃんにお洒落とか恋愛とか、そういう事もちゃんと楽しんで欲しいと思ってる」

