「美味しそ〜、いただきます!」
お腹を空かせていたのか、
梨架がもう待ちきれないという様子でそう言って手を合わせた。
私も一緒に手を合わせ、
鬱陶しく顔にかかった前髪を耳にかけてから箸を取った。
「いただきます……え?」
急に梨架からの真剣な視線を感じて、
ポテトサラダに伸ばしていた箸をとめる。
どうしたのと尋ねると、梨架がため息まじりに答えた。
「お姉ちゃん。会社でもそうしてればいいと思う」
そう言って梨架が前髪を指差した。
…何かと思ったら、そんな事。
「別に梨架が気にすることじゃないよ」
「だって、隠しちゃうの勿体無いもん。折角お姉ちゃん綺麗なのに」

