隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー


「西野、今日なんか疲れてるか?」

資料室まで歩く途中、石川部長からそんな風に尋ねられた。

「木嶋に社員証忘れたって聞いたぞ。それにらしくもないミスも連発してた」

「……。」

もしかして、連れ出してくれようとして私を手伝いに呼んでくれたのかな。

そんな事をふと思いながら笑って誤魔化す。


「まぁ雨の日ってなんか気分も参るよな」

「え、雨?」


言われて窓の外を見ると、濁った色の雲から降る雨が窓を叩いていた。

確かに朝から曇り空ではあったけど、まさか雨が降るとは思っていなかった。
天気予報をきちんと見ていなかったのがマズかったか。

…傘を持ってくるのを忘れた。
喫茶店に行く約束をしてしまったけど、どうかそれまでに止んでほしい。

そう心の中で祈りながら、石川部長が社員証を使って開けた資料室の扉をくぐった。





傘も持ってきていないというのに、
資料室に入ってからだんだんと雨音が大きくなっていくのがわかった。

「結構降るな…」

石川部長が手にしていた資料を一旦置いてため息をつく。