「おつかれ様」
「本当疲れたよ〜。さ、帰ろう!」
「わ、ちょっと梨架…!」
梨架に強引にグッと腕を引かれる。
安藤さんに失礼しますと頭を下げながら、梨架に連れられて車へと向かった。
スタジオと家はそれほど離れている訳でもないので、15分程ですぐ帰宅出来た。帰宅してすぐにタイマーでセットして沸かしておいた風呂に梨架を入らせて、その間に急いで夕飯の支度をする。
母と梨架と私とで都内のマンションに三人で暮らしているが、
母は夜勤勤務も多い看護師として病院に勤めているからこうやって風呂や夕飯の支度をするのは私の役目だ。
朝から作り置いておいたスープを温めながら簡単なポテトサラダを作る。
メインは、スープとサラダと洋食な二品にはアンマッチな鯖の塩焼きだ。
残業していた事もあってちょっと手抜き気味にパパっと夕食を調理し、お母さんの分はラップをかけて冷蔵庫の分に閉まっておく。
梨架が風呂から上がって髪も乾かし終える頃には、食卓に夕食を並べ終わっていた。

