「なぁ、あかりちゃん。学校さぼらへん?」
「え? さぼるって・・」
「どっか 行こう!な!?」
「え? あ、はぃ???」
きっと、もう教室には戻りにくい
私への気遣いだろう。
そんなちょっとした、優しさが嬉しい。
「あかりちゃん こっち」
気がつくと涼平は、2階である音楽室の窓に足をかけている
「え!?」
「ほら、早くおいでって、ココからじゃないと職員室から見えるねんて」
伸ばされた両手にすがりつくように窓のふちに立つあかり。
窓の外には、野球部の倉庫がある。
そこに飛び降りられればすぐに学校が抜けられるだろうが、あかりには怖くて飛べない。
「うあわ!! こわ!!」
「そんな、怪我する高さでもないやろ」
そういって涼平は、下を見つめる。
「いやいやいやいやいや 普通に怖いですよ・・」
「あれ?あかりちゃんって怖がり?」
「そんなんぢゃないですもん」
わざと強がったがやはり怖くて足がすくむ。
ほんの少し震える足を見られてしまったのか、涼平は、クスクス笑って、あかりを抱えたまま、下に飛び降りた。
『だん』と 大きい音をたてて着地した瞬間体がフラついて、あかりによりかかる形で倒れてしまった。
「あ、ごめん」
「い・・いえッ・・ あ、あの・・」
「ちょ、先生きたっ!!」
多分先生からは見えてないだろうが、慌てて倉庫の屋根から飛び下り、校庭の外に走り出した。
しばらく行ったところで転がるように腰をおろし、息切れのする肺を落ち着けた。
