涼太「東京の仁央橋の駅前にある
ドーナツ屋でたまたま会ってさ。
どこの大学かは分からないけど
東京に住んでるって言ってた。」

ずっと会いたかった稀が東京にいる。
それを知った俺はバカみたいに
家を飛び出し電車に飛び乗る。

会いたくて会いたくて仕方がなかった。
突然いなくなったあの日から
毎日稀の事ばかり考えて
今でも頭の中は稀の事ばかりで· · ·。

だったら、会うしかねぇだろ。

東京までの道のりがやけに長く感じる。
くそっ。何で俺はこんなにも
遠い場所に住んでんだよ!

何度も蒼太に勧められたのに
地元に残ると決めたのは俺なのに
その距離がどうしようもなくもどかしい。