冴島先生の言う事も
分からなくはない。
皆の命が救える訳ではないと
いう事もちゃんと分かってる。
でも、だとしたら
俺たちはどうして医者という
仕事を選んだんだろう。

雄大「まだ今はきっと
分からないと思うけど‥‥」

ードタドタドタドタ

成美「冴島先生!!
405号室の山野さん
容態が急変しました。」

廊下ではスタッフの人達が
慌ただしく動き回っていた。

雄大「すぐにオペ室に運んで。
小林先生にも連絡して。」

成美「分かりました。」

‥‥山野さんってさっき会った
元気そうに話してた男の人だよな。

俺は吸い寄せられるように
オペ室の前に佇んだ。