雅喜「ん。」

稀「何これ?」

雅喜「お前が好きだった漫画の新刊。
昨日発売だったから。」

稀はいつからか
少年漫画を読まなくなった。

稀はいつからか
俺の事を雅喜って呼ぶようになった。

稀はいつからか
オシャレをし始めた。

稀はいつからか
知らない顔で笑うようになった。

一番近くにいると思っていたのに
稀が一番遠い存在になっていた。

歳を重ねるたびにどんどんと
知らない稀が増えていって
一つでいいから昔みたいに
戻ってほしいと思った。