雅喜「稀がここに来る
理由なんてそれ位しかないだろ。」

稀「雄にいと何かなきゃ
私は雅喜の部屋には
来ちゃいけない訳?」

雅喜「そんな事言ってないけど
何かあるなら言えよ。
後で泣きつかれても
鬱陶しいだけだから。」

稀「鬱陶しいって。
あんたね‥‥!!」

俺はカバンを置くと
稀の寝転がるベッドに腰掛ける。

雅喜「で、何があった?」

稀「だから、何にもないって!」

笑顔の奥の瞳が悲しげで
いたたまれない気持ちになった。

俺は立ち上がり本棚から
漫画を取り出す。