家の扉を開けると
キッチンから聞こえてくる
お袋の鼻歌。

そのテンションに
ついていける気がしなくて
俺はキッチンへ向かう事なく
自分の部屋へと上がった。

ーガチャ

稀「雅喜、おかえり。」

雅喜「何で稀がいるんだよ!」

稀「おばちゃんが部屋で
待ってていいって言うからさ。」

ベッドに寝転がりながら
雑誌を読んでいる稀。
稀がこの部屋に来る理由は分かってる。

雅喜「で、何?」

稀「何って何が?」

雅喜「雄にいと何かあったんだろ?」

稀「別に何もないよ。」