静の手を握ると
それをぎゅっと握り返す。

雄大「今日から新学期なんだな。
今朝、雅喜と稀が喧嘩してる姿
見て平和だなって思ったよ。
いいよな。高校生は。
何でも楽しい時期だから。」

俺たちは正真正銘の恋人同士だ。
だけど、たまに静は不安がる。
その気持ちが俺には分からない。

静「雄大っていつも
私といる時、稀ちゃんの話するよね。」

雄大「まあ、隣に住んでるから
嫌でも顔合わせちゃうしな。
稀は俺の妹みたいなもんだよ。」

稀の事は大切だった。
男兄弟の俺にとって稀は
初めて出来た妹みたいなもんで
稀がハイハイした時も
歩き始めた時も話し始めた時も
俺は全部知っている。

その成長を喜んだりもして
でもその感情は恋とか
そうゆうのではないと思っていた。