稀の寝顔を見ながら俺は
過去の事を思い出していた。

朝から騒々しい雅喜と稀を見送ると
俺はゴミ集積所へと向かう。

山田「あら?雄くん?
偉いわねぇ。朝から
ゴミ出しなんて。」

雄大「ああ。山田のおばさん。
おはようございます。」

山田「おはよう。
大学の方はお休みなの?」

雄大「今日は3限だけなんで。
たまには親孝行もしないと。」

山田「何言ってるの。
医大に通ってる事が何よりも親孝行よ。
お父さんも喜んでるでしょ?
私も雄くんみたいな
立派な息子が欲しかったわ。」

雄大「大輔も東京の大学で
頑張ってるみたいじゃないですか。
家を出て一人暮らししてるんですから
俺より立派ですよ。」

山田「まぁ、雄くんったら。
相変わらず口が上手いわね!」

近所のおばさんと話をしていると
家の中から父親が出てくる。