雄大「お前、医者になるのか?」

雅喜「まだ決めてないけど。
つか、卒業出来るかも
分かんねぇし。」

雄大「何で?」

雅喜「俺、一年留年してるから。
でも、なりたいと思ってるよ。
それが‥‥約束だから。」

雅喜の横顔が切なかった。
誰との約束?なんて
そんな野暮な事は
聞かなくとも分かる。

雄大「なれるよ、雅喜なら。
いい医者に絶対なれる。」

雅喜「同情かよ。
らしくねぇなあ。」

雄大「だな。雅喜はどうなの?
彼女とかいない訳?」

雅喜「いないよ。
そういうの興味ないし。」

そっか。雅喜はまだ‥‥‥。
そう思うと俺の胸の奥の方が
ズキズキと痛んだ。