雄大「大輔くんも、もう高校生だもんな。
じゃあ遠慮なく。錠剤の薬を出すよ。」

大輔「ありがとう。」

検診が終わっても大輔くんは
病室を出ては行かなかった。

大輔「...あのさ、冴島先生。
ずっと聞けなかった事を聞いてもいい?」

雄大「何だ?」

大輔「俺、後どれくらい生きられる?」

医者になって最もされたくない
質問がこれだった。
後、どのくらい生きられますか?
その質問の重要さは分かってるつもりだ。
余命によってこれから先の
生き方も変わってくる。
十分、理解出来る。...だけど
俺にとってその言葉は最も
聞きたくない言葉でもあった。

だけど、俺は医者だから。
話さなければならない。