多田「両親がいなくなったら
私は1人です!!」

雅喜「俺はあんたと同じ目に遭った人を
知ってる。その人も1人っ子だった。
だから、多分ずっと1人だった。
でも、今は好きな人と幸せに暮らしてる。」

話してて悲しくなった。
でも、それは紛れもない事実。
ずっと好きだった雄にいと
一緒に暮らす事こそが稀の幸せだ。

会いに行けなかった理由を知った。
雄にいに遠慮してたからじゃない。
稀の幸せがそこにあったからだ。

雅喜「初めの内は笑えないかもしれない。
大切な人を失った悲しみに
負けそうになる日がきっとくる。
だけど、諦めないで欲しい。
辛かった分の幸せは絶対に
返ってくるから。
知ってるか?人生ってのは
幸と不幸は半々なんだってさ。
あんたが今ここで人生の全ての
不幸を使い切ればあんたはこれから先
幸せになるしかないんだ。」

だからこそ、彼女にだけは
稀と同じ想いをして欲しくなかった。

1人で思い悩む事はして欲しくなかった。