稀「そんな事ない!雄にいは‥」

話したのは俺なのに
求めたくせに拒絶する。

雄大「いつも稀は俺の事を慰めてくれる
ものすごく心強い存在だ。
俺は稀の言葉に何度も何度も救われてきた。
‥でも、ごめん。今は聞きたくない。」

優しさを忘れてしまった俺は
最悪の人間だった。

稀「うん、そうだよね。
ごめんね、何にも知らないのに
余計な事言っちゃって。」

遠慮の上で成り立つ関係。
今の俺と稀は互いが遠慮しながら
生きている。雅喜の事を想う
気持ちを押し殺した稀と
本当の事を言えなくて悩む俺。

その先に幸せな未来などあるのだろうか。

俺たちの日常は
虚無の中で成り立っていた。
埋め合うだけの関係だった。