雄大「ごめん、稀。
せっかくだけど、今日は
食べて来たんだ。」

稀「ああ、そうなんだ。
じゃあ冷蔵庫に入れておくね。」

前向きな言葉を吐くのなら
せめて稀の笑顔が見たかった。
でも、もちろんだけど
稀は笑ってくれなかった。

歯車の狂う音がする。
その音を俺は何度も聞いた。

雄大「俺は医者になるべき
人間ではなかったのかもしれない。」

感じ始めた劣等感は...
自分の弱さは...俺だけのもの。

もちろん稀には関係ないし
巻き込む事自体間違っている。
だけど、今の俺は自分の中で
それを処理し切れなくなっていた。
柳瀬という人物に出会ってしまったから。