巡回から帰ると美優ちゃんが
ナースステーション前の
ソファに腰掛けていた。

雄大「どうした?眠れないか?」

美優「ううん、冴島先生と話したくて。」

雄大「そうか。」

美優「ねぇ、先生。
私、頑張ってみるよ。」

俺は今まで、何十回も彼女の
表情を見てきたけど
こんな笑顔を見たのは初めてだった。

雄大「どうゆう心境の変化だ?」

美優「ここは私のオアシスだから。
オアシスがあるのなら私の枯れた
世界で少しくらい頑張ってみても
いいのかなって思えたんだ。
頑張ってみてもダメな時、きっと
私はまたここに戻ってくると思う。」