冴島先生に託された俺は
美優ちゃんの病室へと向かった。

彼女は周囲を気にする事なく
嗚咽を漏らしながら泣いていた。

雅喜「体調はどう?」

美優「誰?」

雅喜「今日から君の担当医になった
柳瀬 蒼太だ。」

美優「そう。遂に愛想尽かされたんだ。
結局、冴島先生もそうゆう人なんだね。」

冴島先生はああ言っていたけど
やっぱり俺は目の前の彼女の事を
どうしても患者として
見る事が出来なかった。

例え彼女が涙を流していたとしても。
例え彼女が生きる意味を
見い出せなかったとしても。