稀「うん。松下 翔平くんって言って
同じ講義取ってて仲良くなってさ
お兄さんが教師で参考書とか
色々貸してくれたの。私の事をいつも
気にかけてくれる優しい人なんだ。」

雄大「そうなんだ。
よかったよ、楽しそうで。」

そう言いながらも
雄にいは少しだけ
寂しそうな顔をしていた。

稀「雄にい、どうしたの?」

雄大「ん?何が?」

稀「何か‥寂しそうな顔してたから。
あ、もしかして雄にい。嫉妬してる?」

雄大「してないって。」

稀「本当に?」

雄大「俺が嫉妬なんてする訳ないだろ!」

稀「‥うん。そうだよね。
雄にいが嫉妬なんてする訳ないよね。」

本当の事を言うと
雄にいと付き合ってから
ずっと不安だった。

雄にいが私と一緒にいるのは
ただの同情なんじゃないかって
そんな事を時々、思う。

優しい雄にいの事だから
ただ、放っておけなかった
だけなんじゃないかって。