雄大「柳瀬っ!!何も言うな!」
俺は大きく首を振った。
いくら尊敬する冴島先生の
言葉だったとしても
今の状況は耐えられない。
半端な下っ端の研修医の分際で
言うべき事ではないと分かっていても
冴島先生が責められる姿を
見過ごす事は出来なかった。
蒼太「でも、俺は冴島先生と一緒に
働いてきましたから、御両親が
知らない冴島先生の気持ちを知ってます。
勤務時間が終わっても、冴島先生は
毎日のように佑磨くんのドナーを
探し続けてました。最後の最後まで
諦めない。冴島先生の信念が
そこにはありました。...でも...
ご存知の通り、ドナーはそう簡単には
見つかりません。理解して欲しいんです。
冴島先生は佑磨くんの事も
拓磨くんの事も最期の最後まで
助けようとしていた事を。
冴島先生の事を信頼している
御両親には知ってもらいたいんです。」



