雄にいが私の色んな姿を見てきたのと
同じ分だけ私も雄にいの色んな表情を
見てきた。恩返しが出来ないのなら
せめて1番、雄にいの事を知ってる
存在でありたい。

雄大「...俺はずっと戦う事から
逃げてたんだ。優しさなんて
言葉に甘えて、相手の事を1番
考えてるようなフリして
結局は悪者になりたくないだけだった。
でも、逃げてちゃ何にも始まらないよな。」

稀「雄にいの患者さんの事は
分からないけど、きちんと
雄にいの優しさを伝えれば
きっと分かってくれるよ。
雄にいを悪者だなんて思わないよ。
だって雄にいは、私のヒーローだから。
辛い時、挫けそうな時
1番に駆け付けて助けてくれる英雄だよ。」

雄大「ありがとう。
明日、戦ってくるから...今日は
一緒に眠ろうか。」

稀「うん。」

雄大「風呂入ってくる。」

稀「その前に...ご飯ね!」

雄大「ああ。そうだった。」

私がここにいる事の意味は
未だに見つけられてないけど
雄にいが笑顔になってくれるのなら
それでいい。隣にいて雄にいが
迷惑しないのならそれが1番いい。

翌朝、目を覚ますとやっぱり
雄にいの右腕は私の事を
大切そうに抱き締めていた。