意味深に坊ちゃんは微笑んだ。

本当にこの人は底知れない。
俺よりも雄にいの事を知ってるんだ。

雅喜「知ってたのかよ。」

脩「ええ。冴島先生の彼女にも
何度かお会いしてますよ。
綺麗な方ですね。」

雅喜「稀が綺麗?あいつは...」

言いかけてやめた。
俺の中の稀は高校2年生のままだ。
今の稀の姿を知らない俺には分からない。

脩「逆境を乗り越えた人間は
とても綺麗ですから。
雅喜先生の答えに関わらず
1度は彼女に会う事をオススメします。
幼馴染として。」

坊ちゃんと話していると
いつも頭の中がスッキリとする。

今はまだ答えは出せないけど
例え、雄にいに頭を下げてでも
稀に会おうと思った。