やっぱり今日も見つからなかった。
粘っていても仕方がない。
今日は帰ってゆっくり休もう。

カルテをしまい、鍵をかけると
笑顔の柳瀬がお疲れ様ですと言った。

雄大「まだ帰ってなかったのか?」

蒼太「はい、今帰る所です。」

あの夏祭りの日以来
プライベートで柳瀬とは
ほとんど話す事がなかった。

俺は言いそびれたお礼を今更言った。

雄大「ずっと黙っててくれたんだな。」

蒼太「何がですか?」

雄大「雅喜に俺と稀の事を
話さなかったそうじゃないか。」

蒼太「話さなかったってゆうか
話せなかったんですよ。」