家の前まで送ってくれた
雅喜に手を振り、玄関の扉を開けた。

稀「お父さん、お母さん。ただいま!」

ーガチャ

でも、雅喜と一緒に花火を見る来年も
彼氏と一緒に花火を見る来年も
雄にいと手を繋ぎながら
夏祭りを回る来年も訪れなかった。

その日、私の両親が自殺した。
その翌日、私はこの街から姿を消した。


ーEND

私の体を包み込む温かい体温。
俯いた顔をあげると雄にいがいた。