ぼーっと考え事をする稀の姿を
見ていると俺もあの日に
タイムスリップした。
俺たちの運命を変えたあの日に。


駅にはちらほらと浴衣を着ている
人達がいた。そうか今日は夏祭りだ。
夏祭りなんて、もう何年も行ってないな。

ーガチャ

雄大「ただいま。」

家に帰ると雅喜は
慌ただしく出掛ける支度をしていた。

雅喜「あれ?雄にい。夏祭りは?」

雄大「夏祭り?」

雅喜「彼女と一緒に
行くんじゃないのかよ?」

雄大「行かないよ。」

俺がそう答えると持っていた
財布を机に置いた。