松下くんが去って行くと
ニヤニヤした表情を浮かべた
翠が私の肩を小突く。

翠「稀も隅に置けないねぇ。
医者のイケメン彼氏がいながら
学校一のモテ男の気持ちまで
鷲掴みにしちゃうなんて。
1人くらい私にも分けて欲しいわ。」

稀「だから、松下くんは
そんなんじゃないから。」

翠「鈍いなぁ。好きでもない女に
あんな笑顔を向けるほど
松下はいい奴じゃないよ。
あいつに泣かされた女が
何人いると思ってるの?」

稀「仮にそうだとしても
あり得ないよ。
私は松下くんの事なんて
好きにはならないから。」

翠「お!イケメン彼氏
一本宣言きたぁー!!」

大学はすごく楽しい。
お調子者だけど優しい翠がいて
松下くんのような私の事を
気にかけてくれる男友達がいて
勉強もなんだかんだ楽しくて
だから、いつも雄にいへの
感謝でいっぱいになる。

翠の言う通り。私の彼氏は
雄にい以外、有り得ない。
どこにいても何をしてても
私は雄にいの事ばかり考えている。