背中の押し方が分からない
柳瀬に変わって怜くんの背中を押した。
このままでは、彼も柳瀬も
ダメになると思ったから。

雄大「柳瀬も一度、夢を諦めようと
思った事がある。」

怜「柳瀬先生がですか?」

雄大「柳瀬の夢はこの病院で経験を積み
将来は戦地に行って1人でも多くの人の
命を救う事だそうだ。
この病院に来て3ヶ月ほど経った頃
柳瀬は大きな壁にぶち当たった。
自信を無くし人の命を救うという事の
重さを再認識した。誰よりもあいつは
1パーセントでも可能性があるのなら
助けたいと思っている。
そんな柳瀬が何故、君に手術を
受けなくていいと言ったか分かるか?」

怜「分からないです。」

雄大「柳瀬の一言が君の人生を変える。
君の命が尽きた日に、君の両親から
責められる人間は柳瀬だ。
その命は助かり後遺症が残った時
君から責められる人間は柳瀬だ。
どっちにしたって責められる。
だったら、柳瀬は君の意見を
尊重したいと言っていた。」