長く生きられるのなら
辛い治療に耐えるのは当たり前。
助かる可能性があるのなら
手術を受けるのは当たり前。
そう思っていた。

雄大「最悪か‥。
でも、お前はちゃんと怜くんの
心の声を聞いたんじゃないのか?」

蒼太「聞きました。でも聞いたからこそ
尚更どうしていいのか
分からなくなりました。
怜くんが来月の大会に出たいというのなら
優先してあげるべきだと思います。
でも、来月まで手術を先延ばしにすれば
怜くんはもう手術を受けられません。」

雄大「本当にどうしていいのか
分からないのか?」

蒼太「分かりませんよ。」

雄大「お前の気持ちは
もう決まってるだろ?」

蒼太「所詮、医大を卒業したばかりの
ペーペーの研修医ですから。
俺には無理なんですよ。」