雄にいに送ってもらった
私は急いで講義室へと向かう。

翠「おはよー!稀。
見たよ~。朝から高級車で
登校だなんて、さすが
医者の彼氏は違うね。」

稀「からかわないでよ。」

彼女、土方 翠はこの大学で
仲良くなった私の一番の親友。
翠は私の3つ歳下だけど
そんな差を感じさせないほど
大人びている。

翠「羨ましがってんの。
はぁ、どこでそんな男
掴まえたのかそろそろ
教えてほしいわ。」

翠には昔の事とか雄にいの事とか
そういった事は一切話してない。
話してないというよりは
大切な人だから話せなかった。

再スタートを切った私に
過去なんて必要なかったんだ。