冴島先生のアドバイスを受け
俺はようやく大切な何かに
気付けた気がした。

今はまだ曖昧だけど
それを知る事はものすごく
大切な事のように思えた。

蒼太「怜くん。ちょっといいかな?」

怜「何しに来たんですか?
何度言われたって僕は
手術なんて受けません。」

本を読んでいた怜くんは
鋭い目付きで俺を睨んだ。

蒼太「うん。分かってるよ。
君が手術を受けたくないのなら
俺は無理に手術を進めたりしない。
ほら、俺もまだまだこの病院では
下っ端の下っ端だから‥なんて
患者さんの前で言うべき事ではないし
尚更、信用を失うかもしれないけど
俺は君の心の声を聞きに来た。」