雄大「ヒントをやるよ。
さっき、俺は健康な人間に不調を
訴えたって理解出来ないと言ったけど
きっと、向こうだって理解して欲しい
とは思ってないはずだ。
だけど、誰かに話したいんだ。
不安や恐怖。そして心の声を。」

今は柳瀬の背中を押すくらいが
ちょうどいいんだろう。

蒼太「心の声...ですか?」

雄大「どうするべきか、ここで俺が
答えを出す事は簡単だ。
実際、今、俺ならこうするって
案がいくつも浮かんでる。
でも、怜くんは柳瀬の患者だ。
それは俺が決める事じゃない。」

蒼太「俺が決めるって事ですよね?」

雄大「そうだな。見捨てるような
言い方に聞こえてしまうかもしれないけど
俺はその方がいいと思う。
人の意見で動いたって患者は
その医者を信用しようとは思わない。
ただ、一つアドバイスするのなら
柳瀬は柳瀬のやり方で患者の
心の声と向き合うべきだと思う。」