雄大「柳瀬はどう思う?
怜くんは手術を受けるべきか
そうじゃないのか。」

蒼太「...受けるべきだと思います。
今、手術すれば怜くんは助かる。
でも、手遅れになれば
手術を受ける事さえ出来なくなる。
それなら、俺は今助けたいです。」

雄大「うん、医者としては間違ってない。
柳瀬の考え方は正しいと思う。
じゃあ、医者としてじゃなく
ただ1人の人間として柳瀬はどう思う?」

蒼太「ただ1人の人間としてですか?」

雄大「健康な人間に不調を訴えたって
理解されない。体の不調も
心の不調もそれは同じだ。
俺はね、人間って本当の事は
あまり話さないと思ってる。
言い方を変えよう。
どうして怜くんは手術を
頑なに拒んでるんだと思う?」

柳瀬はしばらく考え込んでいた。
俺は、柳瀬が答えを出すまで
何分でも何時間でも付き合おうと思った。