紆余曲折ありながらも
西園寺記念病院の研修医として
正式採用された俺は今日も
慌ただしく走り回っていた。

学生の頃とはまた違う環境。
お客様扱いがなくなり
こき使われる毎日だった。

俺の指導医である氷室という奴が
これまたいけ好かない野郎で
テレビなんかでよく見る
派閥争いの上位にいるような奴で
それならまだ学生の頃に出会った
植松って医者の方がマシだった。

まあ、でも今の俺に拒否権はない訳で
嫌だと思っていても
氷室の元で学ばなければならない。