稀「でもね、雄にいは
お医者さんになるようにしか
育てられてこなかったんだよ。
当たり前のようにお父さんの
背中を追ってきた。だけど
やっぱり今の雄にいは
立派なお医者さんだよ。」
でも、今の雄にいを見ていて分かる。
雄にいはお医者さんになるべき人
だったんだって。
蒼太「俺もそう思います。」
稀「毎日毎日、患者さんと
向き合って分厚い論文を
毎日のように読み明かして
助けられる命は助けたいって
心の底から思ってる。
悲しい時も辛い時もいつも
笑って‥本当に強い人だよ。」
蒼太「そうですね。」
稀「患者さんの死になんて
いちいち悲しんでられない。
そんなお医者さんが多い中
雄にいはいつも心を痛めて
自分を責めちゃうんだ。
でも、そんな雄にいだからこそ
救える命が沢山あるんだよ。」
だって、雄にいの頭の中は
いつも患者さんの事でいっぱいだから。