この高度医療科の研修医として
働き始めてから2ヶ月ほどが経った
ある日の事だった。

その日、冴島先生は休みだった。

小林先生は学会へ。
西井先生は九州にある病院へ
応援に行っていた。

高度医療科の医者はただ1人。
俺しかいなかった。
この高度医療科は救急救命科と
併設しているから何かあれば
そちらの先生に任せればいい。
そう小林先生に言われたから
今日の当直を引き受けた。

とてもじゃないけど、今はまだ
命の責任など持てなかった。
だって、俺はただの研修医なのだから。