それが人として
当たり前な事だとしても
やっぱり医者としては
失格なんじゃないかと思った。

こうして俺が悩んで落ち込んでいる間にも
患者はどんどんと増え続ける。
俺を待っていてくれる人達がいる。

頭では分かっているのに
気持ちが‥追いつかなかった。

雄大「医者なんかやってるとさ
人間の無力さを思い知らされるよ。」

この苦しみをただ吐き出したかった。
言葉なんていらない。求めてない。

稀「無力さ?」

雄大「当たり前のように人が死んでいく。
先生なんて偉そうに呼ばれて‥
だけど実際は助けられない命も沢山ある。
おまけにその悲しみに浸る暇もない。
俺って無力なんだ。
ちっぽけなんだって思い知らされる。」