涼太「来るんじゃねぇの?」

雅喜「誰が?」

涼太「篠宮だよ。篠宮 稀。」

複雑な表情を見せる涼太に
曖昧な返事しか返せなかった。
あいつ今どこで何してんのかな。

ずっと後悔してた。
あの日あの時に俺が稀の変化に
気付いていれば稀はずっと
この街にいたのかもしれないと。
幼馴染‥‥その言葉が
俺を臆病にさせ鈍感にさせ
全てを狂わせた。なんて…
そんなのはただの言い訳だった。

涼太「お前は来いよな。
地元組なんだし。
てゆーか迎えに行く。」

雅喜「うぜぇ。」

ー2番線に電車がまいります。

涼太「お、来た来た。
じゃあ、俺行くわ!」

雅喜「おう。頑張れよ!」

涼太「お前もな!」

手を振る涼太を見送った後
俺の乗る電車がやってくる。

複雑な気持ちのまま
俺はその電車に乗り込んだ。