雄大「例えそれが今じゃなくたって
昔から決まってるから。
俺の隣にはずっと稀がいる。
それは俺の中の決定事項だから。」

手放せる訳がない。
稀に好きだと告げられたあの時も
静に責められたあの時も
俺の気持ちは1つなのだから。

俺はずっと稀が好きなんだ。
妹じゃない。家族でもない。
ただ、1人の女の子として
稀の事が好きだった。

雄大「· · ·帰ろうか。」

稀「うん。」

早く稀の事を抱き締めたかった。
同じベッドで眠りたかった。
この腕に稀の体温を感じたかった。

稀「雄にい。平気なの?
ちょっとスピード出しすぎだよ。」

雄大「· · ·ごめん。でも· · ·
早く稀を独り占めしたい。」

その日、俺はいつにも増して
稀の事をぎゅっと抱き締めた。

もうどこへも行って欲しくないから。