そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐

ゆるやかにカールされた山村さんの髪が揺れている。

短めのスカートからスレンダーな足が生えるように前後に動く。

カツカツと高いヒールは髪の揺れと合わせるかのように軽やかな音を響かせていた。

山村さんの早足に必死に着いて行きながら、GM室に向かう。

「失礼致します。岩倉様をお連れしました」

部屋の前で山村さんはノックと同時に声をかけ、扉を開けた。

この部屋に通されたのは確かもう一ヶ月も前の話。

あの時は真知さんと足ががくがくになるくらいGMのオーラに圧倒されていたっけ。

「どうぞ」

目を合わさず山村さんは私に一礼し、私は開けられた扉の前で「失礼します」と言って入っていった。

正面の社長デスクで書類に目を通していたGMは顔を上げて私を確認すると、扉の前に立っていた山村さんの方に視線を向けて言った。

「ありがとう。もう山村くんは下がっていい」

「はい?」

山村さんは眉間に皺を寄せて不思議そうな顔を一瞬したけれど、それ以上は何も言わず頭を下げ部屋を出ていった。

扉が静かに閉まる音。

この部屋にGMと二人だけ。

秘書の山村さんもいない。

一体何の話があるっていうの?

私が変な想像しすぎなんだろうか、私の胸は破裂しどうなほどドキドキしていた。

だって、柳本さんがさっき「手が早いから」なんて変なこと私に言うから。