懇親会場はハピーオフィスが用意してくれた飲み物や軽食がビュッフェスタイルで置かれていた。
真知さんは「お腹すいたー」と言いながら、たくさんお皿に盛って食べている。
「さすがハピーオフィスね。本来ならうちがこういうの用意しなくちゃならないんだけど、GMが是非にって言ってくれたらしいわ」
「そうなんですね」
そう言いながら、お皿に一つだけ置いたサンドイッチをかじった。
真知さんはサンドイッチをかじる私を見て首を傾げる。
「食べるの大好き友梨ちゃんが食が細いってやっぱりおかしいわ。何かあったの?」
ドクン。
「いえ、季節の変わり目だからかな」
私は苦笑しながら言葉を濁した。
「それとも恋わずらい~?」
真知さんはいたずらっぽく笑いながら私の顔をのぞき込んだ。
「そんなんじゃ・・・・・・」
恋わずらいで食欲がなくなる方がずっと健康的だと思う。
今の私は食べたいのに食べれない。
ふとした時にあの『×』と生卵が頭の中をよぎる。
それだけで、体中に鳥肌が立つような恐怖を感じていた。
あと少し。
発表会さえ終われば、少し休みをもらって実家に帰ろう。
「岩倉様、失礼致します」
背後で女性の声がする。
振り返ると、秘書の山村さんだった。
明らかに無表情のまま赤い唇だけを動かして私に言った。
「GMがお呼びです。GM室へご案内致します」
真知さんの顔を見ると、相変わらず山村さん嫌いの彼女は口をへの字にしてとりあえず頷いていた。
真知さんは「お腹すいたー」と言いながら、たくさんお皿に盛って食べている。
「さすがハピーオフィスね。本来ならうちがこういうの用意しなくちゃならないんだけど、GMが是非にって言ってくれたらしいわ」
「そうなんですね」
そう言いながら、お皿に一つだけ置いたサンドイッチをかじった。
真知さんはサンドイッチをかじる私を見て首を傾げる。
「食べるの大好き友梨ちゃんが食が細いってやっぱりおかしいわ。何かあったの?」
ドクン。
「いえ、季節の変わり目だからかな」
私は苦笑しながら言葉を濁した。
「それとも恋わずらい~?」
真知さんはいたずらっぽく笑いながら私の顔をのぞき込んだ。
「そんなんじゃ・・・・・・」
恋わずらいで食欲がなくなる方がずっと健康的だと思う。
今の私は食べたいのに食べれない。
ふとした時にあの『×』と生卵が頭の中をよぎる。
それだけで、体中に鳥肌が立つような恐怖を感じていた。
あと少し。
発表会さえ終われば、少し休みをもらって実家に帰ろう。
「岩倉様、失礼致します」
背後で女性の声がする。
振り返ると、秘書の山村さんだった。
明らかに無表情のまま赤い唇だけを動かして私に言った。
「GMがお呼びです。GM室へご案内致します」
真知さんの顔を見ると、相変わらず山村さん嫌いの彼女は口をへの字にしてとりあえず頷いていた。



