そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐

これは、もっとGMがこの場所にいてほしいっていう私の気持ちから出た質問だったのかもしれない。

この質問の意味を、GMは失礼と受けとめるかもしれないけれど、それはそれでいいと腹をくくっていた。

恐らくもうこれ以上近づくことのない彼に、最後の自分の思いをぶつけただけ。

「そうですね。確かにあなたの言われる通りだ。まぁ私も遊んでいるわけではないので敢えてオフィスを偵察する時間を作っていないわけではないのですが、もっとオフィスをよくするためには実際に私の目で見て、感じて、そして、あなた方のように利用して下さる皆さんと直接話しをすることは大切なことですね。これからは心に留めておきます。貴重な意見をありがとう」

え。

こんなにも素直に「ありがとう」って言われるなんて。
意外な返答に戸惑う。

思わず驚いた顔でGMの顔を見つめると、彼は口もとを緩めすぐに私から視線を外し、会場全体を見回し言った。

「せっかくの機会なので、彼女のように忌憚のない提案や意見、もっと聞かせてもらいたい。どうぞ、皆さん遠慮なくおっしゃって下さい」

真知さんも慌てた様子で立ち上がり、自分の腕時計に目をやった。

「あと少しだけ時間がありますので、どうぞ他の方も何かあればせっかくなのでGMにご意見お願いします」

その後、何人かが手を挙げ、ハピーオフィスに対する要望や提案を言い始めた。

GMはそれらの質問に嫌な顔一つせず、むしろ楽しむように一人一人に丁寧に答え、胸の内ポケットから手帳を取り出し気になった質問に関してだろうか、記帳していた。