「東條物産に勤めている時、自分のやってる仕事に正直誇りが持てなかった。もっと社会に真に貢献できる仕事がしたいと常々思っていてね。誰かを踏みつけないと貢献できないような仕事に辟易していた。まぁ、ここは東條物産の名前が出ているから敢えて曖昧な言い方にさせてもらいますが、お嬢ちゃん、なんとなく理解してもらえるかな」
またお嬢ちゃんって言われた。
思わずきっと彼をにらみ返し首を横に振った。
「では、もう少しわかりやすく言うと、利益追求ばかりに目が奪われて、人間の価値そのもの、その本質を見失うような仕事から離れたかったんです。かつてアメリカに留学しているときに知り合った男性からシェアワークスペースの話を聞き、興味があったのでその重役と話をする機会を得ることができてね。そこから日本でも立ち上げたいと名乗り出たのがハピーオフィスの起源です。仕事は本来、もっと人間らしく本質を追究することが大切で、そのためには小さな世界に縛られることなく自由な空間と様々なジャンルの人達とふれあうことで生み出されるべきだと考えました。シェアワークスペースはそういう意味で私も理想とする空間だったんですね。それがこのハピーオフィスを立ち上げ日本国中に広めようと思ったきっかけでしょうか」
あまりにもすーっとその言葉は私の頭に入ってきた。
あんないつもクールで何考えるかわからないGMだけれど、こんなにも強い意思を持ってこのハピーオフィスを立ち上げたんだ。
「はい、ありがとうございました。私もGMのお考えに大変共感します」
言ってしまってから偉そうだったかなと思い「すみません」とすぐに付け加えた。
「共感して頂けて光栄ですよ」
GMはわざとらしく丁寧に言ってるように思えたけれど、いちいち突っかかるのはもう辞めておこう。
多分、どうあがいても勝てないってわかったから。
「では、最後に・・・・・・・」
私は小さく息を吐き、再びGMの顔を見上げた。
「それほどまでに思い入れのある会社であるのに、あまりハピーオフィスにはお顔は出されないのはなぜでしょうか。もっとご自身の目で、このオフィスの実情を見られるような機会を持たれてはいかがでしょう?」
真知さんが眉間に皺を寄せて私に首を横に振っている。
恐らく、こんな上から目線な質問が最後に出るとは予想していなかったんだろう。
確かに打ち合わせ外の質問だったから。
またお嬢ちゃんって言われた。
思わずきっと彼をにらみ返し首を横に振った。
「では、もう少しわかりやすく言うと、利益追求ばかりに目が奪われて、人間の価値そのもの、その本質を見失うような仕事から離れたかったんです。かつてアメリカに留学しているときに知り合った男性からシェアワークスペースの話を聞き、興味があったのでその重役と話をする機会を得ることができてね。そこから日本でも立ち上げたいと名乗り出たのがハピーオフィスの起源です。仕事は本来、もっと人間らしく本質を追究することが大切で、そのためには小さな世界に縛られることなく自由な空間と様々なジャンルの人達とふれあうことで生み出されるべきだと考えました。シェアワークスペースはそういう意味で私も理想とする空間だったんですね。それがこのハピーオフィスを立ち上げ日本国中に広めようと思ったきっかけでしょうか」
あまりにもすーっとその言葉は私の頭に入ってきた。
あんないつもクールで何考えるかわからないGMだけれど、こんなにも強い意思を持ってこのハピーオフィスを立ち上げたんだ。
「はい、ありがとうございました。私もGMのお考えに大変共感します」
言ってしまってから偉そうだったかなと思い「すみません」とすぐに付け加えた。
「共感して頂けて光栄ですよ」
GMはわざとらしく丁寧に言ってるように思えたけれど、いちいち突っかかるのはもう辞めておこう。
多分、どうあがいても勝てないってわかったから。
「では、最後に・・・・・・・」
私は小さく息を吐き、再びGMの顔を見上げた。
「それほどまでに思い入れのある会社であるのに、あまりハピーオフィスにはお顔は出されないのはなぜでしょうか。もっとご自身の目で、このオフィスの実情を見られるような機会を持たれてはいかがでしょう?」
真知さんが眉間に皺を寄せて私に首を横に振っている。
恐らく、こんな上から目線な質問が最後に出るとは予想していなかったんだろう。
確かに打ち合わせ外の質問だったから。



