そばにいさせて~クールなあなたとのセカンドストーリー⭐番外編追加⭐

コーヒーの香りが近づいてくる。

コーヒーカップを私に差し出しながら、東條さんはニヤッと笑って言った。

「忘れたんなら思い出させてやろうか?」

「私、真面目な話をしにきてるんです。ふざけないで下さい」

「ふざけてなんかないけど?」

尚も必死に自分の気持ちを押し殺しながら、東條さんの手からカップを受け取った。

どうしてこんなに意地悪なことばかり言うの?

久しぶりに会ったのに。

彼は私の横に座り、コーヒーを一口飲むとソファーの前に置かれたテーブルにカップを置いた。

「元気そうで何より」

彼が私の横顔を見つめてる。

その視線を感じただけで、今日何しにきたのか頭から飛んでいってしまう。

「さっきの話の続きだが、友梨はもう何も関わるな」

その言葉に、一気に自分の目的を思い出し横にいる東條さんに顔を向けた。

「どうせ自分にも責任があるなんて言って俺をかばうつもりだろう?」

前髪で隠れた彼の目は心なしか優しく見える。

その目をじっと見つめながら言った。

「もし関わらなければ、東條さんがすべての責任を負うつもりでしょう?そんなの嫌です。私も、東條さんのために何かしたいんです」

彼のきれいな瞳が一度だけ瞬きをする。

「俺の撒いた種を俺自身が回収するだけの話だ。何も問題はない」

「今回のことは私にも責任があります。これ以上、一人で傷つかないで下さい」

気持ちが高ぶり東條さんの腕を強く握った。

「・・・・・・っ、たっ」

その途端、彼の顔が苦痛に歪み私が掴んだ腕をそっと私の手から外す。

右腕?もしかして火傷の痕を握ってしまった?

「すみません!」

慌てて謝る。

どうしよう。まだ癒えていない右腕を握ってしまった。