私に冷ややかな目で一瞥し会釈すると、柳本さんにメモを手渡す。
「GMから電話入っています。すぐ折り返しお願いします」
「ああ」
柳本さんは固い表情で山村さんに軽く答えると、すぐに私に向き直り「じゃ、また後で」と微笑み早足で事務所の方へ向かった。
・・・・・・山村秘書と私、二人ソファーの前。
二人の張り詰めた空間にそんな俳句みたいな文章が頭に浮かぶ。
なんだか視線が恐くて頭が上げれないけれど、何か言わなくちゃ。
思い切って頭を上げたら、山村さんが語調強めで口を開いた。
「あの手紙」
「あの手紙?」
「あなたからGM宛に預かった手紙のこと」
「あ、はい」
そういえば、GMはまだ見てないみたいだった私からの手紙のことだ。
あまりに色んなことがありすぎてすっかり頭から飛んでいた。
「わざと渡してなかったわけじゃありませんから。私も色々と忙しくて渡しそびれていただけ。それを、いちいちGMに報告するなんて少し意地が悪いんじゃないでしょうか」
山村さんはきれいな顔で明らかに怒っているようだった。
必死に冷静を装っているけれど、頬は紅潮し、赤い唇は僅かに震えている。
「すみません。別に意地悪な気持ちではなかったのですが、早めに伝えたいことがあったので気になって確認してしまいました」
「っていうか、あなた何様のつもり?」
「え?」
山村さんの握り締めた手がわなわなと小刻みに揺れている。
そしてその赤い唇が開いた。
「あなた、最近やけに東條GMと親しげにされていますけれど、日々激務に追われていて、本来あなたみたいな小娘を相手にするような方じゃないんですよ。東條物産の御曹司で、今や全国区に広げたハピーオフィスのGM。何か勘違いされてるんじゃありません?正直GMも困っておられます。どうか、これ以上お近づきになるのはお控え下さい。マスコミに嗅ぎつかれても迷惑ですし。あなたとGMは天地がひっくり返ったとしても繋がることはございませんので!」
一気に捲し立てると、山村秘書は私に深く腰を折り曲げ、そのままカツカツと足音を強めに響かせながら去っていった。
「GMから電話入っています。すぐ折り返しお願いします」
「ああ」
柳本さんは固い表情で山村さんに軽く答えると、すぐに私に向き直り「じゃ、また後で」と微笑み早足で事務所の方へ向かった。
・・・・・・山村秘書と私、二人ソファーの前。
二人の張り詰めた空間にそんな俳句みたいな文章が頭に浮かぶ。
なんだか視線が恐くて頭が上げれないけれど、何か言わなくちゃ。
思い切って頭を上げたら、山村さんが語調強めで口を開いた。
「あの手紙」
「あの手紙?」
「あなたからGM宛に預かった手紙のこと」
「あ、はい」
そういえば、GMはまだ見てないみたいだった私からの手紙のことだ。
あまりに色んなことがありすぎてすっかり頭から飛んでいた。
「わざと渡してなかったわけじゃありませんから。私も色々と忙しくて渡しそびれていただけ。それを、いちいちGMに報告するなんて少し意地が悪いんじゃないでしょうか」
山村さんはきれいな顔で明らかに怒っているようだった。
必死に冷静を装っているけれど、頬は紅潮し、赤い唇は僅かに震えている。
「すみません。別に意地悪な気持ちではなかったのですが、早めに伝えたいことがあったので気になって確認してしまいました」
「っていうか、あなた何様のつもり?」
「え?」
山村さんの握り締めた手がわなわなと小刻みに揺れている。
そしてその赤い唇が開いた。
「あなた、最近やけに東條GMと親しげにされていますけれど、日々激務に追われていて、本来あなたみたいな小娘を相手にするような方じゃないんですよ。東條物産の御曹司で、今や全国区に広げたハピーオフィスのGM。何か勘違いされてるんじゃありません?正直GMも困っておられます。どうか、これ以上お近づきになるのはお控え下さい。マスコミに嗅ぎつかれても迷惑ですし。あなたとGMは天地がひっくり返ったとしても繋がることはございませんので!」
一気に捲し立てると、山村秘書は私に深く腰を折り曲げ、そのままカツカツと足音を強めに響かせながら去っていった。



