―放課後にて―



「ねえ、瑠璃!今日部活ある?」
放課後になり、すぐに魅音が荷物を持って私の元に来た。
「今日は、水曜日だから無いけど…?何?なんかあった?」
魅音が、部活があるか聞いてくる時って大体、『一緒に帰ろう』か、『一緒に寄り道しようよ!』、のどちらかだから…
「だったら、一緒に帰ろ!」
(やっぱり…)
「分かった、けど私、まだ用意終わってないから待ってて」
「了解!」
魅音は、手を額の横に持っていき、そう答えた。

・・・

私は用意を終わらせ、携帯を操作しながら待っている魅音に声をかけた。
「終わったから、帰るよ」
私はそう言って、魅音より先に教室を出た。
「あ、待って!…瑠璃、早いよ」
魅音は急いで自分の荷物を持って、私の後を追いかけてきた。
「魅音が遅いんだよ、用意なんてすぐにできるのに、その合間に携帯やりだして…」
「そうだけど…」
そんな会話を魅音としている内に、下駄箱に着いた。
「駅まで一緒に来るんだっけ?」
「うん!それに、運転手さんも見れるしね!一石二鳥!」
魅音は、テンションを高くしながらそう言った。
「いい人が見れるかわからないよ?」
「そん時はそん時だよ!」
魅音は、あくまで運転手さんを見たいようだったから、そこまで引き止めなかった。
(まあ、朝、高城さんで運使っちゃったから、帰りはそこまでいい人じゃないだろ)
そう考えていた私だったが、その考えがどれだけ甘かったか後々知ることになる。