そして、私はそのまま眠りについていた。


気が付くと私はふかふかのベッドに寝ていた。
明るかった外は既に真っ暗になっていて、私がよく寝ていたことを示していた。



「ゔっ…」

「え?」


声のするほうを見ると
ソファーでうずくまってるちひろがいた。


「ちひろ?」


ちひろは顔を上げ、笑顔を作った。


ちひろ「ぁあ。起きたのか。おはよ。」


ちひろは誰か見ても分かるくらい真っ白な顔をしていて、冷房が効いている部屋なのに身体中汗びっしょりだった。


「ちひろ、どうしたの?誰か呼んでくる?」

ちひろ「大丈夫だから。いつものことだ。」


私は、ちひろの言葉を思い出した。


『俺、生まれつきここが悪いんだ』


「本当だったんだ…」

ちひろ「大丈夫だから…心配すんな…」

「無理だよ。どうすればいい?私にできる事はない?」

ちひろ「あそこの引き出し…」

「あそこ?」

ちひろ「ぁあ…ゔぅ…」

「ちひろ!!!!」

ちひろ「大丈夫…薬入ってるから…」

「分かった!」


私は勢いよく立ち上がり、薬を取り出した。


そして、薬を開けわたした。

「水…どこ行けば水もらえる?」

ちひろ「これ、舌下剤だから…水いらない」


そう言い、ちひろは口に含んだ。


しばらくすると、ちひろは落ち着いた。
でも…
まだ呼吸は荒く、身体がダルそうだった。


「ちひろ…」

ちひろ「大丈夫。ありがとう。」


そう言い、目を瞑ったままソファーに寄りかかっていた。

「ベッドで寝たほうがいいよ。」

ちひろ「情けねーけど、まだ動けねえ。」

「ごめん…」

ちひろ「なあに謝ってんだよ。」


俯いた私にちひろは頭を撫でてくれた。
きっと、私が想像出来ないくらい辛かっただろうに…