ー工藤ー


はあ…

かのんちゃんは何を考えてるんだ。


俺は深い深いため息をついた。


ープルルルル


「はい。工藤です。」

看護師「先生、急患です。16歳女性、ビルから飛び降りたようです。10分後に救急車到着します。」

「わかった。すぐ行く。」


おいおい、飛び降りかよ。


俺は、立ち上がり処置室へ向かった。


そして、救急車が到着し看護師から患者情報が告げられた。

看護師「吉田かのんさん。16歳女性。ビルから飛び降りたと思われます。心肺停止状態です。」

「は?!どうゆう事だよ。」


俺は顔を見てビックリした。

でも、俺は直ぐに冷静さをとりもどし、今出来る最善の処置を施した。


なんとか、心拍は再開したものの、時間がかかりすぎだ。

かのんちゃんは、植物状態になってしまった。

そして、同僚の医師から告げられた。



胡桃沢「工藤…。かのんちゃんは脳死だ」


呆然としている俺に
看護師は1枚のカードを差し出した。

ドナー登録カード
心臓の欄のみにマルがされていた。


看護師「先生、どうなさいますか?私から家族へ連絡」

「いや…。この子には家族はいない。」

看護師「え?」

「この子は俺の知り合いだ。」

看護師「そうだったんですね…」

「ぁあ。この子の遺志を尊重させたい。そして、かのんちゃんの心臓をちひろへ。」

看護師「でも…それは」

「ぁあ。分かってる。でも、かのんちゃんが言ってたんだ。私の心臓はちひろ以外にあげないでって」

看護師「でも、そんな事したら先生が…」

「ぁあ。分かってるよ。一様はドナー登録の所へ通す。結果次第では、このドナーカードは破棄させる。」

看護師「わ…わかりました。」

「あとは、任せたよ。」

看護師「はい!」

そして、俺はすぐに医局へもどり確認をとった。

10分後

ープルルルル

「はい。」

?「先生、ちひろくんが1番です。」

「本当ですか?!」

?「はい!」

「ありがとうございます!」


そう言い、電話を切った。

嘘だろ…
そんな奇跡があるのかよ…
俺の目からは涙が溢れ出した。



そしてすぐに看護師に電話をし、ちひろの移植が決まった事を伝えた。